御曹司は溺愛彼女を捕えて離さない
式が始まってもどうしても大河を目で追ってしまう。

でもそれは大河も同じで、何度も目が合う。

その度にフッと笑って。

その度に胸が熱くなった。

挙式も無事に終わって、みんなのテンションもマックスに上がっている。

しかも、前に私が見た大河の車に乗っていたのは妹の美空さんだったという事がわかった。

本当に私は何もかも勘違いしていたらしい。

さんざん毒を吐いていた自分が情けない…。

しかも、それもこれも…
もう私はきっとあの初めて夜を共にした日から好きになってたんだと。

だから置いて行かれたりして傷ついたんだと。
あれは怒りじゃなくて、悲しかったんだという事が今更になってわかった。

もうとっくに私は心を持って行かれてたんだと。
あんなに拒否していたのに。
< 96 / 270 >

この作品をシェア

pagetop