トップオブザロック
第一章 決意
「今夜歌ってくれるのは、先週トップオブザポップスの栄光を勝ち取ったばかりのポップバンド、BLACKIESです。
曲はモチロン二週連続一位の『君に恋して』。どうぞ!」


人気音楽番組の司会者の紹介と同時に、俺たちは楽器のチューニングをするフリをやめ、今度は楽器を弾くフリを始めた。


「きゃぁぁぁぁぁぁぁ!」

観客席に群がるファンの黄色い声援と共に、メンバー達はかっこつけてる自分に酔いしれている。

ボーカルの俺は口パクしながらそんなメンバーを横目に、一人冷めていた。
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