きっとそれは幸せな夢だった
「橘先生って大学生だったんですか。」

「そ。俺こんな顔してるけど、ぴちぴちの大学3年生だからね?」

「大学3年ってことは…、21歳!?」

「こらそこ、見えないって顔すんな。」


どーせ俺は老け顔ですよー、と

少し拗ねた顔をして私の前を歩く先生の隣に

私は慌てて謝りながら並んだ。


「あんまり意外だったからつい…、すみません、気にしてたなんて知らなくて。」

「許さねー、俺拗ねたからね。」

「んーー、許してくださいよ。あ、ほら、タバコ1箱奢りますから、」

「ばか、未成年がそーゆーこと言うんじゃありません。」


からかっただけだよ、と私の方を見た橘先生の顔は笑っていて

なんとなく悔しくて

今度は私が顔を背けた。
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