きっとそれは幸せな夢だった
「あーー、悪かったって。咲良ちゃんの反応が面白くてつい、」

「…なんなんですか、もう。ほんとに焦ったんですから。」

「ごめんって。…あ、じゃあさ、お詫びって言ったらあれだけど、来月にある花火大会一緒に行かない?」

「花火大会、ですか?」

「そ。でもあれか、咲良ちゃんだって友達と行くか。」


俺と一緒に行ってもしょーがないよな、と

苦笑する橘先生の顔が

なんとなく悲しそうに見えて

私は反射的に、いいですよ、と答えていた。
< 20 / 62 >

この作品をシェア

pagetop