きっとそれは幸せな夢だった
「まだ誰とも約束してないですし、いいですよ、花火大会。」


あることすら知らなかったですし、と笑うと

咲良ちゃん勉強熱心だもんな、と橘先生は苦笑した。


「よっしゃ、じゃあその日はなんでも好きなもん食べて、花火見て、勉強のことは一瞬忘れよーぜ。」

「ふふっ…、楽しみにしてます。」

「おう。じゃあ、またな。」


危ないからはやく家ん中入りな、と促されて

私は軽く会釈だけして玄関のドアを開けた。
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