きっとそれは幸せな夢だった
「デート、か…、」


結莉とわかれ、自宅に帰ってから

私はひとり自分の部屋で彼女と話したことを思い返していた。


「橘先生はどーゆうつもりなんだろ…。」


先生は塾でどの生徒にも気さくだし

私が見る限り、生徒に人気のある講師なのは確かだ。

そういうコミュニケーションの延長で

私のことを誘ったって考えても

別におかしいところはない、気がする。


「…やめた、勉強しよっと。」


まるで自分に言い聞かせるように口に出して

私は机に向かった。
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