私と彼の3年間

プロローグ

私は花。24歳。

大学を卒業して、最近まで飲食業界の企業で普通に会社員をしていた。

ずっとやりたかった商品開発の仕事。

やっと慣れてきて、独り立ちできた頃だった。

下腹部の痛みが酷く、立ちくらみもする。そんな体調の変化が現れた。

近くの婦人科クリニックを受診して検査を受ける。

最近出血はなかったかと聞かれて、 元々生理不順もあり、生理の出血だと思っていたが確かにあったなと思い出す。

立ちくらみは貧血から来ているものだった。


検査を受け数日後、クリニックから電話が入っていた。

仕事中で出れなかったためかけ直すと電話の向こうで事務員さんの焦った声が聞こえる。

訳も分からないまま電話は医師に繋がれた。

慌てていた事務員さんと対照的に医師の声は落ち着いているように感じた。

｢検査結果が出ました。がんの可能性が高いです。紹介状を書くのですぐに総合病院に向かってください。｣

そう言われた。

私が、がん？

正直何かの間違いだって思った。

信じられないまま仕事を早退して病院に向かった。

受付で名前を言うとすぐに案内された。

クリニックの方で手を回してくれていたらしい。

自分はそんなに緊急性のある状態なのかと不安になった。

少し待つと名前を呼ばれて診察室へ入る。

医師から説明をされてステージIVであることが分かった。

ステージIVはリンパ節や他の臓器に転移がある状態らしい。1番良くない状態だ。

今の状態を少しでも良くするために手術が適応になるということで手術を受けることにした。

その時の私は貧血も酷く仕事が出来ていたのが不思議なくらいだと言われ、そのまま緊急入院となった。
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