私と彼の3年間
彼が帰ったあと看護師さんが慌てた様子で訪ねてきた。

「吉川さん!勝手に出歩かれたら困ります!今はふらつきもありますし、安静になさってください」

「どうしても外に行きたい時は看護師が付き添いますから声だけでもかけてください!」

忙しいのか看護師さんはそれだけ言うとすぐ病室から出ていった。

看護師さんに迷惑かけて申し訳ないって気持ちもあったけど、1人で自由に動くことすら出来ないんだって思うとショックだった。

入院生活がこんなに窮屈で息苦しいものだなんて思ってもみなかったな。

さっき先生が和ませてくれた心もまた暗く重く戻ってしまった。

今私にあるのは手術への恐怖、今後への不安、そして自由がないことのストレス。

全部か重くのしかかって辛すぎて、もう消えてしまいたかった。

遠方の家族、仲良い友達や同僚にもまだ自分の状態を詳しくは言えていない。

唯一言えた陽先生だっていつでも話せるわけじゃない。

誰にも相談できない頼れない。本当に辛いな。


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