「生きること」
「クロキさんに会いたいの?」
唐突な敬ちゃんの問いに戸惑うわたし。
敬ちゃんは、さっきのふざけたような雰囲気から打って変わって、真剣な表情を浮かべていた。
「んー、会いたいっていうか、、、」
わたしがそう言い掛けると、敬ちゃんは「クロキさんには、会わない方がいいよ」と言い、続けて「クロキさんと関わるとロクなことないよ?」と言った。
確かに、、、クロキさんと関わると、舞さんのことが思い浮かぶ。
そういえば、最近舞さんにも会ってないなぁ。
「クロキさんと関わらない方が平和だよ。クロダのばあちゃんから、くる実ちゃんを守るように頼まれてるし!」
敬ちゃんはそう言うと、胸を張って見せた。
わたしは「わかりました。」と言って笑ったが、正直なところクロキさんに会いたかった。
そして、「僕が必要なったときは、ここに来てください。必ず駆け付けますから。」と言うクロキさんの言葉を思い出した。
あそこに行けば、クロキさんに会えるかもしれない。
そんなことが頭を過ぎったのだった。