ワケありニートな年下ワンコを飼いました
「ベッドルーム、行きませんか?」

 耳元で囁かれる。私は頷いて、彼を部屋へ引っ張って行く。
 そのままベッドへ押し倒されて、また唇を塞がれた。

 知り合ったばかりなのに。7歳も下なのに。そんなことを考える余裕もなく、甘い雰囲気に呑み込まれていく。
 
 枯れていた泉が、また湧き出す。自分の中に眠っていた女の部分が、ガクくんに呼び起こされる。
 服を脱がされて、あらわになった肌に唇を寄せられて、何年ぶりかの感覚に体が震えた。

「彩女さん、かわいい」

 ガクくんは手慣れている様子だった。ブラジャーのホックも、片手でなんなく外していたし。
 そして、まるでずっと前から私の体を知り尽くしているかのように、敏感なところばかりを弄ってくる。
 
「あっ……ち、ちょっと」
「あれ、ここが弱いんですか?」

 私の中で、ガクくんの指が動く。自分でも知らない、一番反応する場所。

「まっ……て、待って、ダメ」
「彩女さんのイイところ、見つけた」

 指で刺激され、舌で弄ばれて。全身に力が入る。汗が吹き出す。頭が真っ白になって、体が痙攣する。
 こんなのは知らない。初めての感覚に、思考が停止してしまった。
 
「ちゃんと、ご奉仕しますよ。僕を飼ってくれるのならね」

 私の中を弄っていた指を舐めながら笑うガクくん。まるで新しいおもちゃを見つけた子どものような、無邪気さと残酷さが同居した危うさを感じる。

 もしかすると私は、とんでもない子を拾ってしまったのかもしれない。

 だけどもう、引き返せない。快感に思考が遮断される。

 肌が触れ合う心地よさに、私の意識は深く深く沈んでいった。
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