運命の出会いは最悪でした

四天王

『四天王』
そんな名前は全校生徒、いや先生も知っている最強のグループ
二年B組 岩水玲央
二年A組 西園寺翼
二年A組 北野拓実
二年C組 神宮司夏輝
この4人には関わりのない存在
いや絶対に関われない存在

「てかさー」
「うん」
「四天王って何がいいんだろうね」
…………え。
桜?
この子何言ってるの
桜を見ると、「私まずいこと言った?」って顔もせず正々堂々としている
でも少しわかる気がする
だって玲央くんにパンツ見られたんだもん
まあそれよりもあんな奴にキャーって言うほどじゃないと思うんだけど…
「かっこいいんじゃない?」
適当に答える
「イケメンってこと?
だったら海斗の方がかっこいいわー」
海斗というのはライアード所属、スターズイブの西村海斗
言わいる桜の推しだ
いつも熱心にスターズイブの話をしているので名前や性格などは知っている
「だからキャーって言っている子たちは桜で言う推し的な存在なんだよ」
納得がいってない様子
「桜だっていつも私に『海斗がね!』って興奮して話してるじゃん、それと一緒」
「ふーん」
どうにかして納得してくれた桜だけど…
てか、そもそもそんなことは私達には全然関係ない話しだけど
だって私達はこの学校の女子で唯一この四天王に興味がないから
それは、それでちょっとした有名な話
女の子と通りかかると「あの子達だよ、興味がないの」
とひそひそ声が聞こえてくる
クラスの子達からはちゃんとわかっててくれるんだけど
 「変かな」なんて思うこともあったけど桜が「変じゃないよ、だって私もそうだもん」と励ましてくれて、変じゃないんだと自身が持てた
「まっこんな話しても意味ないか!」
そう言って笑う桜
それに釣られて私も笑顔を作った
 
私には四天王の中に幼馴染がいる、
神宮司夏輝、通称夏くん
そんなことは誰にも言えない
もちろん桜にも言えていない…

「あっそうだ
ねえ梨央奈」
なんだろう
そう思い、続きの言葉を待つ
「今週の土曜日一緒に買い物行かない?」
買い物……!
行きたい!
「行く……!」
「じゃあ駅前の時計台に10時集合で」
「うん!」
丁度買いたいものがあったからラッキーかも
そして玲央くんとあった色々な最悪なことを話して一緒に共感してもらおう
どんな服装にしようか考えた

ウキウキしていた私は知るよしもなかった
土曜日が最悪の日になるなんて知らずに…



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