運命の出会いは最悪でした

最悪です

翌日、少しメイクをして家を出ようとした時、お母さんに止められた
「なに?」
「これから出かけるから予定があるならなしにしてくれない?」
「え?」
「お願いね」
私には、お父さんがいなくお母さんが毎日遅くまで働いている
そのため、大変なのは知っていたけど、仕事を休んでまでの用事ってなんだろう…って早く桜に連絡しないと
すると丁度良く電話の着信音がなった
『はーい』
『ごめん!ちょっと遅れる!』
『あっその事なんだけど…』
『うん』
『なんかお母さんが今日だめだって言うから来週でもいい?』
『そうなの?
いいよ、来週ね』
『ごめんね、ありがとう』
『いいよ!これが親友だから』
『桜〜』
電話をしているとお母さんから「行くわよー」と言われたので電話を切った
「ねえねえお母さん」
「なに?」
「どこ行くの?」
「秘密」
お母さんがニヤッとしたのを見逃さなかった
どこだろう?
なんかやな予感が…
車を走らせ十分
着いた先は豪邸で…
「私、再婚するの」
………え
さ、再婚?!
「えっ!
そんなの?」
「そう、で今から挨拶しに行くのよ」
「う、うん」
「それでお兄ちゃんができるからね」
お兄ちゃんかー
義理のお兄ちゃんとお父さん
だったらお母さんとの2人が良かったかも、
まあお母さんが再婚なんて喜ばしいことだけど
「早く行くわよ」
お母さんに急かされて家に入る
「おー麗美!」
麗美はお母さんの名前
これがお義父さんか、
なんか誰かに似ている気がするな…
「おーい、玲央!
新しいお母さんきたぞー」
れ、玲央?
き、気のせいだよね
うん気のせい気のせい、
「はーい」
こ、声も似てる…
そして嫌な予感は的中した
「あっ!
お前…」
「梨央奈たち知り合い?
それなら仲良くできるわね!」
いやいやいや
こんな奴と仲良くなれるもんか
「こんな奴と仲良くなれるわけない!」
うんうん
だよね、わかる
つい、共感してしまった
ウマなんて合うわけないのに
「てことで、明日からここに住むから」
「え、えーーー!」
「最悪…」
明日、か
ふと、玲央くんの方を見るとあっちもこっちを見ていたみたいで目があった
私は舌を出して睨んでやった
先輩なんだけどね…
そもそも玲央くんがお兄ちゃんで一緒に住むなんて最悪
普通の女の子だったら「幸せすぎる!」とか「やばい、
死ぬ!」とかなのに私の場合、あんなことが起きた後なんだから最悪だよ
すると、お母さんが
「ちょっとお買い物行ってくるから2人で待っててね」
ちょっと待って
2人で?
無理無理
「私も行く」
「大丈夫だから」
大丈夫?
こういう時に限って…
お母さんの意地悪、
「それじゃ」
バタン
「………」
しばらくの沈黙
それを破ったのは玲央くんだった
「…あのさ、」
「なんですか」
「敬語やめて」
なんだ、偉そうに
「はい」
それだけ?
だったら話しかけないでよ!
「それとさ、ルール決めよう」
てか、学校との性格違いすぎない?
学校では、クールで優しいのに
今は、だらしないように見えるけど大丈夫そう?
「何のですか」
「敬語」
「ごめん」
なんのルール?
てか敬語アリでもいいじゃん!
「だから、学校でのこと!」
少しイラつきながら言う玲央くん
はぁ、こんな事でイラついてたら皆んなから嫌われるわ
「別にいいんじゃない?
隠したいなら隠したいでいいですけど多分バレないので」
「なんで言い切れる?」
「私にはわかるので」
じゃあ逆に言い切れないわけがないじゃん
すると険しい顔をした玲央くんが聞いてきた
「あっごめん名前何?」
「梨央奈です」
「俺は…」
「知ってますから」
「なんで?」
いや、岩水玲央って名前、知らない人居ないと思うけど
「だって学校中は、いつもみんなが玲央くんや翼くんのことで盛り上がっているからね」
「えぇ、最悪」
そんなことも知らないの
そんなこんな続いてできたルール
①学校では先輩後輩
②朝出る時は梨央奈が先に出る
③家族になったことは、バレないようにする
この三つのルールを決めて、家へ帰った

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