運命の出会いは最悪でした

初恋

風邪を引いた日から玲央を避けている
何故かって玲央を見たら胸が苦しくてドキドキするから
こんな症状は、初めてで原因不明
「おい、梨央奈」
「………」
まただ、胸がドキドキして、体が熱い
「最近俺のこと無視してるだろ」
玲央も気づいてたのか
「だから?」
「なんで?」
「だって胸が…」
言おうとしていたのを飲み込んで
「な、なんでも無い」
早足で自分の部屋へと戻った
もう桜に相談しようと電話をかけた
『もしもーし』
「もしもし」
『どーしたの』
「ちょっと相談したくて…」
『なになに?』
それから家族になったのは言えないから
お化け屋敷行った時にそうなったとちょっぴり省略した
『それってさ"恋"じゃ無い?」
こ、恋?
「それはない…」
『いや、梨央奈は玲央に恋、したんだよ』
「えー…」
『まあいいや明日!詳しく聞かせて!」
そう言って電話を切った桜
『恋』なんて私には関係がなかった
今まで一度も好きになったことがなかったから
そのせいか恋バナなんて一度もしたことがなかったし
しようとも思わなかった
そんな私が恋?
絶対にありえない
でも、もしそうだとしたも義理でも兄妹な訳で…
付き合えるとは思っていないけど
義理兄を好きになるなんて…そんなあるはずないのに…


「おーい、梨央奈ー」
玲央っ…
「俺、なんか悪いことしたなら謝るけど」
あのことだよね…
「大丈夫、私が問題だから」
「なら良かった」
ホッとしたのか笑顔になった玲央
そんなに気になっていたのかな?
「じゃ」
そう言って自分の部屋に行った玲央
あぁ、行っちゃう
無口な玲央が見せてくれた笑顔、看病してくれたこと、
兄妹になる前、怪我するところだった私を助けてくれたこと、パンツが見えたって時は最悪だったど、
私は気づいたんだ
あんなクズな玲央だけど。
頭の中が二文字で埋め尽くされる
ーーー私は玲央が、"好き"なんだーーー
そう、気づいた瞬間だった
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