Too late
「私、実は彼氏が出来たんだよね」
恋愛の隠し事はなしだと3人で約束した。それにさっきシウにも彼氏の存在を明かしたから、今が言うべき時。
そんなにサプライズでもないつもり。しかし2人とも顔を見合わせて思いの外ビックリしている。
一瞬、空気がシーンとした後にジウォンはおめでとうと言って拍手した。
「マジで!?」
「うん」
「いつの間に!? てか誰!? イケメン!?」
「ほんと最近。彼氏はうちの会社の人。」
デヒョンがジウォンに会って話してみたいと言ってたからいつかは紹介するけど今は言えない。
事務のお兄さんだとほどよい嘘をつく。馴れ初めや告白については半分本当の話も織り混ぜて、写真が見たいと言われたら「彼が写真が嫌いなんだ」とはぐらかす。
ジウォンは「いいなぁ」と言いながら話を聞いてくれた。
「でも、そっか~言われてみればなんか綺麗になったような......ねっ?」
この話になってからチョルスの反応が薄くて、まだ進展していないチョルスへの当てつけみたいで嫌な気にさせちゃったかもとすぐに話を逸らした。
が、ジウォンがトイレに行っている間にチョルスの方から彼氏の話題を出した。
「アクセサリー、彼氏に貰ったの?」
「うん、昨日ね」
「今幸せ?」
「うん。幸せ」
彼のトーンに違和感を感じる。私の纏う雰囲気が幸福感満載で“幸せそうだな、おまえ”と伝える意図を含んだトーンではなく、かといって“その男は大丈夫な男なのか”と私を心配しているわけでもなさそうだ。
比較的いつもニコニコしていてお調子者のチョルスが珍しく頭の片隅に置いた何かを考えながら話している気がした。
「もしヒョンが今帰ってきたらどうする?」
違和感の正体がわかった。チョルスはシウと私をやたらくっつけたがっている。
シウと私の関係は秘密にしている。しかし、このチョルスの様子から察するに1ミリ程度は知っている。
“今幸せ?”にわずかな攻撃性を感じたのは気のせいではなく、あれだけシウに頼りきっていたのに他の誰かを選んだ私のことを良く思えなかったのだろう。
途端にシウがどこまで話しているか不安になった。
「来年まで帰ってこないでしょ」
「そんなのわかんないじゃん。飛行機乗ったら帰って来れんだから」
チョルス、きっと怒っている。
「なーんか納得できねえな。ポッと出の他の男に取られるなんて」
墓穴を掘りそうで、んーと唸るような相づちを打つだけで何も言えない。
「なぁ、芸能人だろ。彼氏って」
「はっ?なんで?」
「普通の男がおまえに近寄れるわけないじゃん」
私の恋人話をきっかけにその日のチョルスには棘を感じてしまい、2人を進展させるはずだった私の構想は打ち砕かれた。
恋愛の隠し事はなしだと3人で約束した。それにさっきシウにも彼氏の存在を明かしたから、今が言うべき時。
そんなにサプライズでもないつもり。しかし2人とも顔を見合わせて思いの外ビックリしている。
一瞬、空気がシーンとした後にジウォンはおめでとうと言って拍手した。
「マジで!?」
「うん」
「いつの間に!? てか誰!? イケメン!?」
「ほんと最近。彼氏はうちの会社の人。」
デヒョンがジウォンに会って話してみたいと言ってたからいつかは紹介するけど今は言えない。
事務のお兄さんだとほどよい嘘をつく。馴れ初めや告白については半分本当の話も織り混ぜて、写真が見たいと言われたら「彼が写真が嫌いなんだ」とはぐらかす。
ジウォンは「いいなぁ」と言いながら話を聞いてくれた。
「でも、そっか~言われてみればなんか綺麗になったような......ねっ?」
この話になってからチョルスの反応が薄くて、まだ進展していないチョルスへの当てつけみたいで嫌な気にさせちゃったかもとすぐに話を逸らした。
が、ジウォンがトイレに行っている間にチョルスの方から彼氏の話題を出した。
「アクセサリー、彼氏に貰ったの?」
「うん、昨日ね」
「今幸せ?」
「うん。幸せ」
彼のトーンに違和感を感じる。私の纏う雰囲気が幸福感満載で“幸せそうだな、おまえ”と伝える意図を含んだトーンではなく、かといって“その男は大丈夫な男なのか”と私を心配しているわけでもなさそうだ。
比較的いつもニコニコしていてお調子者のチョルスが珍しく頭の片隅に置いた何かを考えながら話している気がした。
「もしヒョンが今帰ってきたらどうする?」
違和感の正体がわかった。チョルスはシウと私をやたらくっつけたがっている。
シウと私の関係は秘密にしている。しかし、このチョルスの様子から察するに1ミリ程度は知っている。
“今幸せ?”にわずかな攻撃性を感じたのは気のせいではなく、あれだけシウに頼りきっていたのに他の誰かを選んだ私のことを良く思えなかったのだろう。
途端にシウがどこまで話しているか不安になった。
「来年まで帰ってこないでしょ」
「そんなのわかんないじゃん。飛行機乗ったら帰って来れんだから」
チョルス、きっと怒っている。
「なーんか納得できねえな。ポッと出の他の男に取られるなんて」
墓穴を掘りそうで、んーと唸るような相づちを打つだけで何も言えない。
「なぁ、芸能人だろ。彼氏って」
「はっ?なんで?」
「普通の男がおまえに近寄れるわけないじゃん」
私の恋人話をきっかけにその日のチョルスには棘を感じてしまい、2人を進展させるはずだった私の構想は打ち砕かれた。