Too late
コラボ活動の評判は上々。
立て続けに音楽番組での1位を獲得した。
首位をとったことをきっけかに私を見てくれる人も増えて、数ヵ月前に発表した自身のアルバムも音楽チャートのランクに復活した。
SNSのフォロワー数やMV視聴数が日に日に増えていく。
事務所に送られてくるファンレターやプレゼントの数も増えた。
移動先で出待ちをしてる集団にも新しい顔ぶれが加わった。
音沙汰もなかった知人から連絡がきたり、会ったこともない男性アイドルが「○○に連絡先教えてもらいました」と勝手にカカオトークのフレンド追加をしていたりとプライベートではそれなりに人間の嫌なところを見たりもする。
知名度が上がっていっているのを身にしみて感じる今日この頃、最高に“生きてる”って感じ。
一緒に歌っているジョンヒョンオッパとは個人的に連絡をとることはないが、過ごしている時間が長くなるにつれ仲良くなる。
彼のいるグループの中では、練習生時期の被らなかった彼とは距離が一番あったけれど今では一番気を遣わないで済む相手になった。
何故だか、彼のメンバーからカトクがくる。
ステージで仲睦まじげに見つめあっているシーンをキャプチャーした画像が無言で送られてきた。
【なに】と返すと、言葉もなしにそのシーンを数秒コマ送りした画像を新たに添付する。
送ってきてる人は私の1つ上。練習生時代はすごく親しかった、兄妹のような仲だ。
まるで小学生男子みたいなそう面白くもないいじりをしてくる。
たいして意味のないそれは既読無視する他ない。
周囲の反応が大きい中で、コラボ活動の成功を誰よりも喜んでいるのはリクPDだった。
彼は新しいプロジェクトで大変だが、私たちの曲が成功しているのがすごく誇らしいし自信に繋がると言う。
日々、上からの圧力に耐えるなかでコラボ曲がうまくいっていることだけが彼のメンタルを救っているらしい。
夜、彼の誘いで通話をする。
活動を始めてから2日に1回のペースでしている。
今日で3回目。
前回もそのまた前も、話したい愚痴でもあるのかと思いきや私に話を振ってくるばかりで本人は相づちに徹した。
声色で疲れているのがわかり、彼に喋らせるのも気が引けて私はたわいもない会話を続ける。
今日もまた、誘いに乗った。
あとは寝るだけってところまで準備を終わらせて、【暇になった】と送ると数分後には掛かってきた。
部屋をシーンとさせたまま通話するのはリク先生だけに集中しているみたいでなんだか恥ずかしくて、毎回テレビをつける。
ジウォンの好きな恋愛ドラマのタイトルがテレビ画面いっぱいに映る。
時刻は10時ピッタリ。
オープニングもなしに始まった緊迫のシーン、画面下に“第22話 最終回”とテロップが。
まるでこのドラマの最後を待ちわびていたかのよう。
ジウォンとの話のネタにもなる、とそのチャンネルに落ち着く。
図らずして起きた偶然の出来事。
最近の私はやっぱりツイてる。
「もしもーし」
「ユリ、おつかれ」
立て続けに音楽番組での1位を獲得した。
首位をとったことをきっけかに私を見てくれる人も増えて、数ヵ月前に発表した自身のアルバムも音楽チャートのランクに復活した。
SNSのフォロワー数やMV視聴数が日に日に増えていく。
事務所に送られてくるファンレターやプレゼントの数も増えた。
移動先で出待ちをしてる集団にも新しい顔ぶれが加わった。
音沙汰もなかった知人から連絡がきたり、会ったこともない男性アイドルが「○○に連絡先教えてもらいました」と勝手にカカオトークのフレンド追加をしていたりとプライベートではそれなりに人間の嫌なところを見たりもする。
知名度が上がっていっているのを身にしみて感じる今日この頃、最高に“生きてる”って感じ。
一緒に歌っているジョンヒョンオッパとは個人的に連絡をとることはないが、過ごしている時間が長くなるにつれ仲良くなる。
彼のいるグループの中では、練習生時期の被らなかった彼とは距離が一番あったけれど今では一番気を遣わないで済む相手になった。
何故だか、彼のメンバーからカトクがくる。
ステージで仲睦まじげに見つめあっているシーンをキャプチャーした画像が無言で送られてきた。
【なに】と返すと、言葉もなしにそのシーンを数秒コマ送りした画像を新たに添付する。
送ってきてる人は私の1つ上。練習生時代はすごく親しかった、兄妹のような仲だ。
まるで小学生男子みたいなそう面白くもないいじりをしてくる。
たいして意味のないそれは既読無視する他ない。
周囲の反応が大きい中で、コラボ活動の成功を誰よりも喜んでいるのはリクPDだった。
彼は新しいプロジェクトで大変だが、私たちの曲が成功しているのがすごく誇らしいし自信に繋がると言う。
日々、上からの圧力に耐えるなかでコラボ曲がうまくいっていることだけが彼のメンタルを救っているらしい。
夜、彼の誘いで通話をする。
活動を始めてから2日に1回のペースでしている。
今日で3回目。
前回もそのまた前も、話したい愚痴でもあるのかと思いきや私に話を振ってくるばかりで本人は相づちに徹した。
声色で疲れているのがわかり、彼に喋らせるのも気が引けて私はたわいもない会話を続ける。
今日もまた、誘いに乗った。
あとは寝るだけってところまで準備を終わらせて、【暇になった】と送ると数分後には掛かってきた。
部屋をシーンとさせたまま通話するのはリク先生だけに集中しているみたいでなんだか恥ずかしくて、毎回テレビをつける。
ジウォンの好きな恋愛ドラマのタイトルがテレビ画面いっぱいに映る。
時刻は10時ピッタリ。
オープニングもなしに始まった緊迫のシーン、画面下に“第22話 最終回”とテロップが。
まるでこのドラマの最後を待ちわびていたかのよう。
ジウォンとの話のネタにもなる、とそのチャンネルに落ち着く。
図らずして起きた偶然の出来事。
最近の私はやっぱりツイてる。
「もしもーし」
「ユリ、おつかれ」