推しと恋しちゃだめですか?
「………」
な、なななんと私は2人に挟まれる形で席に座ることになりました…。
右に土戸くん。左にゆうとくん。

き、気まずいよ…。
「えー、じゃあ1時間目は体育か」
「えーっ」
「よっしゃあ…っ!」

先生の言葉に、絶望する人、嬉しそうな人。
「じゃあ、着替えて外行くんだぞー」
あ、そっか。担任の先生は体育の先生じゃないのか。

更衣室は昨日教えてもらったからわかる。
私は昨日もらった体操着を持って更衣室へと向かった。

◇◇◇◇◇◇
ピッとホイッスルの音が聞こえて、先生の方へと走る。
う、太陽の光が眩しい。
「えー、今日は50メートルのタイムを測るぞ」
タイムか…。
「すみれは運動得意だったよね?」
「あっ、土戸くん」

私の側に来てたんだ。
「うん、得意かはわからないけど、好きだよ」
「また一緒にタイムで対決しようね」
あ、よく小学校くらいの時にどっちがタイム速いかで対決してたっけ。
懐かしいなぁ…、なんて考えていた時。

「……俺もやる」
またゆうとくんがやって来て、そう言った。
「は…?ゆうとも?俺とすみれの邪魔しないで」
「うるせぇ」
ゆうとくんはそのまま私の肩に置かれた土戸くんの手を振り払った。

「俺とやるぞ、すみれ」
「えっ、え??」
ちょっと理解が追いつかないかも…。
「おい、そこ!話を聞け!!」
「っ、す、すみません!!」
反射的に謝った。

そのせいで大声を出しちゃったから、みんなにクスクスと笑われてる。
は、恥ずかしい……。

「は?すみれがちゃんと謝ったのになんで笑ってんの?ふざけんなよ…!」
え、ちょ、土戸くん…?

「そこには同感するぞ、ミドリ…」
え、何か空気がピリピリする……?

「はい、じゃあ並べー」
それを華麗にスルーして先生は指示を出した。
ホッと安心した私、だけど、2人は何故か私をジジジっと見つめる。
ま、まるで"俺とやろ…?"って言ってるみたいだよ…!!
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