推しと恋しちゃだめですか?
「…はよ、ミドリ」
「おはよ、ゆうと」
お互い短い挨拶を済ませ、私達は学校に向かおうとする。


「……すみれ」
「ヒャクッ」

声をかけられるなんて思ってなかった私は、間抜けな声を出した。
「おはよ」
「お、おはよう」

ううう、朝から刺激が強すぎるよ…っ!

「………なぁ、ゆうと」
隣からびっくりするほど低い声がした。

ど、土戸くん……?
なんでそんな不機嫌そうなの…?

「すみれのこと呼び捨てした?」
「あぁ、そうだけど?なぁ、すみれ」

「ウ、ウン…?」
なんだかよくわからない。
会話がわからない。
「俺も行く」

え?
「ゆうとくんも?」
「……っ、ゆうと?」

また一段と低い声。
ど、土戸くん…??
「俺のことは名字なのにゆうとのことは名前呼び…?」
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