演劇部の宇良先輩がやたらとグイグイ来るのですが?

第9話 Wデート(前編)



 金曜日の夜。スマホをいじり終わって、そろそろ寝ようとウサギの形をしたベッドサイドランプの灯りを消した同時にスマホが微かに震えた。

 夜10時以降は自動設定で、SNSやその他の通知系全般をバイブ機能をオフにしているので、通知が来たのであれば誰かからの連絡となる。

 もう一度、画面ロックを外し、暗くなった部屋で、まぶしく感じる画面をみると、送信者は宍戸部長だった。
 個別送信をもらったのは初めてで、つい想像してしまうのは、なにかやらかしてしまったのだろうか? という自分の行いを思い起こしてみたがが、特に思いつくものはこれといってなかった。

(咲来さんって明日予定ある?)

 どういうこと?
 特に予定はないので、そう返信する。
 
(明日四人で遊ばない?)

 ん、んん~~ッ。

 ──翌日。

 来てしまった……。
 県内唯一の遊園地。
 入り口付近で待ち合わせ場所に指定されていて、宍戸先輩と男子がふたり立っている。

 宇良晴先輩と都成伊都先輩。
 ど、どうしてこうなったの?
 なにこの豪華な組み合わせ。超絶イケメンと美少年、マニッシュ調のコーデで身を包んだヅカ系女子、宍戸歌南静(ししどかなせ)先輩。
 この3人に私が混じると逆に目立つのではないか? 少なくとも私は気配を消すのが得意だが、完全に消しきるのは今回厳しいかもしれない。

 昨日の夜、四人と聞いて残りのふたりが誰なのか聞いた時はビックリした。

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