芸能人の幼なじみと、ナイショで同居しています
「雷が怖いからって、俺に甘えてくる萌果ちゃん、めちゃくちゃ可愛かったんだから」
藍の言葉に、大急ぎで昨夜のことを思いだす。
えっと、確か……昨夜は雨と雷がすごくて、なかなか眠れなくて。
私が雷を怖がっていたら、藍がここに駆けつけてきてくれて。
それで、藍が私を抱きしめてくれて……って! 改めて思い返してみると、めちゃくちゃ恥ずかしい。
でも、藍の言うとおり『そばにいて』とは確かに言ったけど。
そのあとの記憶が、全くない……。
「それからしばらく抱き合ってたら、萌果がウトウトしだして。そのまま布団に一緒に横になったら萌果、すぐに寝ちゃったんだよね」
う、うそ。昨日は、あんなに雷が怖かったはずなのに。
私ったら、藍に抱きしめられながら寝落ちしちゃうなんて。
それだけ、藍の腕のなかが心地よかったってことなのかな?
藍がそばにいるってだけで、安心感が凄かったから。
「ら、藍がここで寝てた理由は、分かったけど……どうして上半身裸なの!?」
鍛えられた上半身を直視できず、慌てて視線を逸らした。
藍ってスラッとして細く見えるけど、実は結構筋肉あるんだよね。