芸能人の幼なじみと、ナイショで同居しています
陣内くんに尋ねられ、私の心臓が跳ねる。
「や、やだなあ。私はただ、かっこいいなと思って久住くんを見てただけで……別に好きとかじゃないから」
慌てて否定する。
「そうなの? この前、彼氏はいないって言ってたけど。それじゃあ梶間さん、今は特に好きな人とかもいないんだ?」
「う、うん。いないよ」
好きな人がいないっていうのは、本当。
何も、嘘をついてることはないのに。
どうして、こんな後ろめたさを感じるんだろう。
「好きな人がいないのなら、良かった。もしも梶間さんに、あーんなイケメンモデルが好きだなんて言われたら、俺に勝ち目なんてないもん」
陣内くんが藍のほうを見たので、私もそちらに目をやると。
中庭のほうにいる藍が、真顔でこちらを見ていた。
うそ。藍ったら、いつの間にこっちを見てたの?
もしかして、今の話聞いて……?