芸能人の幼なじみと、ナイショで同居しています


「す、すごいね」


藍とは、今は同じ学校でも学科が違うから。


再会してからは、一緒に授業を受けることがなくて知らなかったけど。


藍ったら、会わない間に勉強もできるようになっていたなんて。


普通の高校生と違って、藍はモデルの仕事もあるから。


たぶん、見えないところで相当努力してるんだろうなって思った。


よし。私も、負けていられない。


それから気合いを入れ直して、シャーペンを走らせる私だけど。


ダメだ。全然集中できない……。


なぜならプリントに取り組む私を、藍が飽きもせずにじっと見てくるから。


「ちょっと。藍ってば、見すぎ! おかげで集中できないよ。プリントが終わったら帰っていいって、先生が言ってたから。藍、早く家に帰ったら?」

「……帰らないよ」

「え、なんで??」

「なんでって……そんなの、好きな子と少しでも長く一緒にいたいからに決まってるでしょ?」

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