芸能人の幼なじみと、ナイショで同居しています
「最初は、モデルとして売れて、九州にいる萌果の目にも入ることがあったら良いなって思って始めた仕事だったけど……今は、この仕事が楽しいって思ってる自分もいるんだ」
「うん」
「最初のハグの話から、少しそれちゃったけど。俺、萌果にファンだって言ってもらえて嬉しかった。あと、俺のことを好きだって言ってくれたしね?」
ニヤニヤ顔の藍に言われ、カッと頬が熱くなった。
「あっ、あれは……あくまでも、幼なじみとしてって意味で……っ!」
「いいよ。どんな意味でも、萌果に好いてもらえていたら、俺はそれで良い」
藍が、こつんと額を当てる。
「ありがとう、萌果ちゃん。おかげで元気出た。やっぱり俺の元気の源は、今も昔も変わらず萌果ちゃんだよ」
おでこをつけたまま、藍がニコッと笑う。
そして、彼に再び力強く抱きしめられた。
「俺、これからもモデルの仕事頑張るよ。萌果や、俺のことを応援してくれているファンの子たちのためにも」
「……うん。応援してる」
ここが学校であることも忘れ、私も藍をめいっぱい抱きしめ返す。