芸能人の幼なじみと、ナイショで同居しています
「……っ」
陣内くん、ひどいよ。盗撮するだけでも最低なのに。
さらにそれを利用して、こんなふうに人の弱みにつけ込むなんて……!
腹の底から怒りが沸々と湧いてきた私は、両手をきつく握りしめる。
「ひどいよ、陣内くん……」
かろうじて、口から出た言葉。
こんな人の前で、泣きたくなんかないのに。
悔しくて、悔しくて。
やるせない思いでいっぱいになって、目から涙がポロポロ溢れ出てくる。
「こんなふうに人の弱みに付け込んで、自分の思い通りにしようだなんて。陣内くん、ほんと最低だよ!」
気づいたら私は、教室で叫んでしまっていた。
そして頬を伝う涙を拭うことなく、そのまま私は教室を飛び出した。