芸能人の幼なじみと、ナイショで同居しています
「藍、ここまで私を助けに来てくれてありがとう」
「掲示板に俺たちの写真が貼られてて、びっくりして。ふと萌果は大丈夫なのか気になって教室までこっそり見に行ってみたら、萌果が廊下を走って行くのが見えて……」
そっか。それで、藍は来てくれたんだ。
私のために、わざわざ来てくれたなんて。
「萌果ちゃん、大丈夫だった? 怪我とかしてない?」
「うん。藍が来てくれたから、大丈夫だよ」
こうして、藍が私のことを気にかけてくれる。
恋心を自覚しただけで、そのことがこんなにも嬉しく感じるんだ。
さっきは照れくささもあって、藍から逃げちゃったけど。
やっぱり、少しでも藍に近づきたくて。
私はキョロキョロと辺りに誰もいないことを確認すると、離れたところに座る藍との距離を詰める。
「萌果ちゃん?」
藍と互いの肩がくっつきそうなくらいの位置まで、移動した私。
思えば、藍は私に好きだと伝えてくれていたけれど。
私は、その言葉にちゃんと答えられていなかった。
私も、藍に好きだと伝えたい。
だから……。
「あのね。私、藍に大事な話があるの」