芸能人の幼なじみと、ナイショで同居しています


なんとか言い切った私は、藍の顔を見るのが怖くて。すぐに目線を下にやった。


人生初の告白は、これまで感じたことがないくらいにドキドキして。


心臓が今にも破裂しそうだ……。


だけど、告白したからにはちゃんと目を合わせなくちゃと、私は前を向いた。


すると、信じられないといった様子で目を見張る藍が視界に入ってきた。


「まじで? 萌果ちゃんが……俺のことを好き?」

「うん」

「何それ。ドッキリとかじゃなくて?」

「うん。私は藍のことが、弟でも幼なじみでもなく……ひとりの男の子として好きだよ」


もう一度伝えると、藍は私をぎゅっと抱きしめた。


「やべぇ。萌果が、俺のことを好きだなんて……! 夢じゃないよね?」


確かめるかのように、藍が私を更にきつく抱きしめる。


「夢じゃないよ。ちゃんと現実だから」


私も藍の背中に腕をまわし、抱きしめ返す。


「それじゃあ……萌果はもう、俺のものだね」

「え!?」


藍にニコッと微笑まれたと思ったら、私は藍に唇を塞がれてしまった。

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