芸能人の幼なじみと、ナイショで同居しています


「んっ……」


唇同士が、繰り返し合わさる。


柔らかく触れて、かすかに浮くと、また角度を変えて重ねられる。


「まさか、萌果ちゃんと両想いになれる日が本当に来るなんて、思ってなかったから……すっげー嬉しい」


藍が、キスの合間に想いを伝えてくれる。


「俺、小学生の頃に萌果ちゃんに振られても、今日まで諦めなくて良かった」

「うん」

「大好きな萌果ちゃんと、両想いになれて……俺、今すごく幸せだよ」

「私も。すっごく幸せ」


藍からの甘いキスを受けながら、気持ちがいっぱいに満たされていく。


好きな人と、想いが通じ合った今。


たぶん、世界中の誰よりも自分が一番幸せなんじゃないかって。


そんなふうに思えるくらいに、私は幸福感でいっぱいだった。

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