芸能人の幼なじみと、ナイショで同居しています
「あっ、はい。今からちょっと出かけます」
「そう〜。藍もさっき出て行ったけど。萌果ちゃんも、今日は可愛くオシャレしちゃって……もしかして、二人でデート?」
燈子さんに尋ねられ、私の肩がピクッと揺れる。
「ら、藍とデートだなんて! ち、違いますよっ!」
私は思わず拒否。
「あらあら。萌果ちゃんったら、そんなに顔を赤くしちゃってぇ」
私を見て、ニヤニヤ顔の燈子さん。
実は藍と付き合い始めたことは、燈子さんにも私の親にも、誰にもまだ話していない。
近いうちに、お互いの親にはもちろん話すつもりでいるけど。
藍と二人で話して、久住家で同居している間は、変にイチャイチャし過ぎないように節度を守るためにも、しばらくは黙っておこうということになった。
「そのワンピース、萌果ちゃんによく似合ってるわ。楽しんできてね?」
「ありがとうございます。行ってきます」
燈子さんに微笑むと、私はパンプスを履いて家を出た。