芸能人の幼なじみと、ナイショで同居しています


「萌果ちゃん、もしかして今日……俺のためにオシャレしてくれたの?」

「うん。少し……」


藍に、ほんのちょっとでも可愛いって思ってもらいたくて、頑張っちゃった。


「やっば。めっちゃ可愛い……!」


嬉しいけど。こんなストレートに言われると、照れくさい。


「らっ、藍も……何着ても似合ってて、さすがだね。かっこいいよ」

「まじ!? ありがとう。それじゃあ、行こっか」

「うん!」


藍の後を追って、私は歩き出す。


藍、手は繋がないんだ……。


って! 芸能人の藍とデートしてるって、周りにバレたら大変だし。何を残念に思ってるの!


しばらく黙々と歩いていると、すれ違う女の人たちが、チラチラと藍のほうを見ていることに気づく。


まさか、モデルの久住藍だって気づかれた?!

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