芸能人の幼なじみと、ナイショで同居しています


「いや〜、映画良かったよね。途中、当て馬くんとくっつくのかと思ったりしたけど。ラスト、二人がちゃんと結ばれて良かった」

「ああ。俺、映画のあらすじとか全く知らずに観たけど、最後は感動しちゃったよ」


映画のあと、私たちは景色の綺麗な公園にやって来た。


藍と公園のベンチに座って、公園近くのお店で買ったクレープを頬張っている。


「萌果ちゃんも食べる? これ、美味しいよ」

「んむっ」


クレープが口の前に運ばれ、私は衝動的にかじりついた。


甘酸っぱいイチゴの風味が、口いっぱいに広がる。


「美味しい? 萌果ちゃん」

「うん、美味しい。ありがとう」

「もっと食べて良いよ」


藍が嬉しそうに、自分のクレープを私の唇へと運んでくれる。


私も何気なくかじるけど……よく考えたらこれ、藍が食べてたクレープ!


それを口にしたってことは……かっ、間接キスだよね。


気づいた途端、急に頬が熱くなってくる。

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