芸能人の幼なじみと、ナイショで同居しています
「どうしたの? 萌果ちゃん。顔、真っ赤にしちゃって」
藍はニヤリと笑うと、私の耳元に唇を寄せた。
「だ、だって、クレープ……その、藍と間接キスだなって思ったら……」
「俺たち、両想いになってから何回もキスしてるのに。間接キスで照れちゃうなんて。萌果ちゃん、純情っていうか。ああ、ほんと可愛いなぁ」
慈しむように、藍に熱くなった頬を撫でられる。
「ねぇ。萌果ちゃんのクレープも、俺にちょうだい?」
私の手元に顔を近づけた藍は、パクリとクレープを食べた。
「んーっ。こっちも美味しいね」
藍が、顔をほころばせる。
藍ったら、ニコニコしちゃって可愛い。
こんな藍を見られるのは自分だけだって思うと、嬉しくなった。
「もっと食べる?」
頬を緩めつつ、私は藍の口元に自分のクレープを差し出した。