芸能人の幼なじみと、ナイショで同居しています


芸能事務所は、ビルの上階にあるらしい。


乗り込んだエレベーターが上がっていくにつれ、私の緊張感もどんどん増していくようだった。


「ここだよ。おはようございます」

「お、おはようございます……」


藍に続いて挨拶をし、おずおずと事務所に足を踏み入れる。


うわあ、広い! 大手だからかな?


芸能事務所なんて初めて来たけど、現代的で清潔感のあるきれいなオフィスだ。


応接室に通され、ソファに座って待機。


しばらくして、50代くらいのダンディーな男性とメガネの美女が部屋に入ってきた。


「社長、お疲れ様です」


緊張で肩が上がるのを感じながら、藍に続いて私もソファから立ち上がる。


「藍。今日は久しぶりの休みだというのに、どうした?」

「お時間を頂いてすみません。今日は、社長に報告したいことがありまして」

「報告?」


社長の視線が藍から私に移り、肩が跳ねた。


「藍、こちらの女性は?」

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