芸能人の幼なじみと、ナイショで同居しています


「はい。この子は、俺の彼女です。俺は彼女……萌果と、少し前からお付き合いしています」

「お付き合い……」


社長さんの眉が、ピクリと動いた。


「はっ、初めまして。藍の幼なじみの、梶間萌果といいます」


私は、社長さんにペコッと頭を下げる。


「そう。君が、藍の幼なじみの……とりあえず、ふたりとも座りなさい」


社長さんに促され、私と藍はソファに腰をおろす。


私たちの向かいに座る、社長さんやマネジャーさんの顔つきはどこか険しい。


何となく、空気も重い気がする。


「萌果さん……だったかな」

「はっ、はい!」


社長さんに話しかけられ、心臓が飛び出しそうになる。

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