芸能人の幼なじみと、ナイショで同居しています
事務所を出ると、外は薄暗くなっていた。
「萌果ちゃん。帰る前に、寄りたいところがあるんだけど……いいかな?」
「うん。いいよ?」
「ちょっと歩くけど……大丈夫? 疲れてない?」
「大丈夫だよ」
私は、藍に微笑む。
今日は、藍の仕事が久しぶりに休みだから。
最初から、今日は彼の行きたいところに付き合おうって思ってた。
それに、藍から『萌果の1日を俺にちょうだい』って言われていたし。
私は藍と一緒にいられれば、どこだって楽しいから。
「ありがとう。そこは、俺がずっと萌果と一緒に行きたかった場所なんだ」
「私と……行きたかった場所?」