芸能人の幼なじみと、ナイショで同居しています


「違うよ、萌果ちゃん。そこじゃなくて、もう少し上」


私に場所を教えながらも、なぜかニヤニヤ顔の藍。


「ねえ、藍。なかなか取れないんだけど……本当にソースなんてついてるの?」


つい、藍のことを疑ってしまう私。


「ごめん、萌果ちゃん。ソースついてるの、左じゃなくて本当は右なんだ」

「え、右!?」


私が慌てて右側に触れようとすると、その手を掴まれた。


「俺が取ってあげるから。萌果は、じっとしてて」

「う、うん」


藍に言われたとおり動かないでいると、藍がこちらに身を乗り出してくる。


鼻先が触れそうなくらいに彼の綺麗な顔が接近し、私が思わず目を閉じると。


唇の端に、濡れた生温かいものが触れる感触がした。


えっ。なに? 今の……。

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