芸能人の幼なじみと、ナイショで同居しています


「昨日はよく眠れた?」

「うん、おかげさまで……あっ」


藍は、すでに高校の制服を着ているんだけど。


「藍、ネクタイちゃんと結んでないじゃない」


藍は、ネクタイを結ばずに首からぶら下げているだけの状態。


しかも、よく見てみるとブラウスのボタンも途中までしか留めていない。


「いやあ、萌果ちゃんにやってもらいたくて」

「えっ、私に?」

「うん。ネクタイ、萌果が結んで?」


幼稚園や小学生の頃は、私が藍の着替えを手伝ってあげていたこともあったけど。


「ねぇ……いいでしょう?」


藍は眉を八の字にさせ、こてんと首を傾ける。


か、可愛い……!


数日前のグイグイ迫ってくる藍には、ちょっとびっくりしたけど。

こんなふうに可愛くお願いしてくるところは、小学生の頃と一緒だなぁ。


藍の昔と変わらない一面が見られて、嬉しく思ってしまう。


「うん、いいよ」


私はさっそく、藍のブラウスのボタンに手をかける。

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