芸能人の幼なじみと、ナイショで同居しています
その日の夕食の時間。
久住家のダイニングで私は、藍と橙子さんと食卓を囲んでいる。
「萌果ちゃん、今日はありがとう。俺のこと盗撮していた女子に、注意してくれて」
「藍、盗撮とかああいうの特に嫌いだろうなって思って。藍が嫌なことをされてるの、黙って見ていられなかったから」
「やっぱり萌果ちゃんは、俺のことよく分かってるよね。物怖じせず、ズバッと注意する萌果ちゃんかっこよかったよ」
「そう?」
「うん。萌果ちゃんは、昔からいつも俺のことを守ってくれて。そういう変わらないところ、好きだなぁ」
サラッと言われ、私は飲んでいたお茶を吹きそうになった。
す、好きって……藍ってば、橙子さんもそばにいるのに!
向かいに座る藍を直視できず、私は俯きながら夕飯の唐揚げをひたすらモグモグする。
「……はい、萌果ちゃん。これあげる」