芸能人の幼なじみと、ナイショで同居しています
そう言って藍が、私の目の前にデザートのイチゴを差し出してくる。
「今日のお礼にあげるよ」
「そんな、いいよ! 藍、イチゴ好きでしょう?」
「好きだけど、これは萌果ちゃんに食べて欲しい。口開けて?」
「え?」
「お礼も兼ねて、食べさせてあげるよ。あーんして?」
「い、いい。自分で食べられるから。藍の気持ちだけもらっとく」
隣に座る橙子さんの目が気になって口を開けることが出来なかった私は、藍の手からイチゴを受け取り口へと放り込む。
「美味しい」
藍からもらったイチゴは、とびきり甘酸っぱく感じた。