芸能人の幼なじみと、ナイショで同居しています
陣内くんの手がこちらに伸びてきたため、また何かされるのかと思っていたら。
「はい、これ」
陣内くんが私に差し出した大きな手のひらには、星の髪飾りが。
「それ……」
自分の頭の右側に手をやると、今朝つけてきたはずの髪飾りがなかった。
「梶間さんのでしょ? さっき部屋を出て行くときに、落ちたのが見えたから」
もしかして陣内くん、髪飾りを拾って届けるために私を追いかけてきてくれたの?
「あ、ありがとう」
「俺、母親がアメリカ人で、小学生まではアメリカに住んでたんだけど。そのせいか、ボディタッチが激しいとか、距離が近いってよく言われるんだよね」
そうだったんだ。
「だから、もし梶間さんに嫌な思いをさせちゃってたらごめんね?」
「ううん」
「でも、梶間さんのことを可愛いって思ってるのは本当だよ」
陣内くんが、パチンと片目を閉じる。
私のことを可愛いだなんて。陣内くんって、目が悪いんじゃ?!