芸能人の幼なじみと、ナイショで同居しています
「そうだ。さっきの非礼のお詫びに、その髪飾りは俺がつけてあげるよ」
「え? いや、私自分でつけられるから」
「いいのいいの。遠慮しないで」
私が持っていた星の髪飾りを、陣内くんに取られてしまった。
「さあさあ、梶間さん前向いて!」
陣内くんに両肩を掴まれ、私は半ば強引にくるっと前を向かされた。
そして、私の髪に陣内くんの手が触れ、すうっと指で髪の毛を梳かれる。
「梶間さんの髪ってきれいだね~。めっちゃサラサラじゃん」
ちょっ、触られるなんて嫌だ。
ただ、髪飾りをつけるだけなのに。わざわざ髪の毛を、手櫛でとく必要ある!?
陣内くん。さっきは落とし物を届けてくれて、少しは良いところもあるのかもって思ったのに。
やっぱりこの人のことは、苦手かもしれない。
私がこの場から逃げ出したいと思い、目をきつく瞑ったそのとき……。
突然、腕をガシッと誰かに掴まれた。