芸能人の幼なじみと、ナイショで同居しています
「い、嫌じゃない……」
私は、首をフルフルと横に振る。
「そっか。それなら良かった」
藍は安心したように微笑むと、彼の長い指が私の髪を梳いていく。
藍に髪を何度か梳かれた後、今度は髪の毛をひと束掬われ、藍の唇がそこに落ちた。
「ら、藍?!」
「アイツに触られたところ、消毒しないと」
──チュッ。
リップ音を立てながら、藍に繰り返し髪に口づけられる。
陣内くんに触れられたときは、あんなに嫌だったのに。
相手が藍だと、なぜか不思議と嫌じゃない。
それは藍が幼なじみで、私にとっては弟みたいな存在だから? それとも……。