芸能人の幼なじみと、ナイショで同居しています
パンパンッ! パーンッ!
突然クラッカーの派手な音が鳴り響いて、紙吹雪が舞う。
え?!
「「萌果ちゃん、お誕生日おめでとーう!!」」
クラッカーを手に笑顔の藍と橙子さんを見た私は、目を大きく見開く。
えっ、誕生日……? あっ、そうだ!
ここに引っ越してきて、10日あまり。
まだ慣れない生活にバタバタしてて、すっかり忘れていたけど……今日4月15日は、私の17歳の誕生日だ。
部屋はナチュラルカラーのバルーンや、モカ色のガーランドなどで飾りつけがされていて、テーブルの上にはごちそうが並ぶ。
「藍がね、萌果ちゃんに内緒で誕生日のサプライズパーティーをしようって、計画したのよ?」
「うそ。藍がですか?!」
「ちょっ、母さん……!」
藍のほうを見ると、頬がわずかに赤らんでいる。
まさか、藍が私の誕生日を覚えていてくれたなんて……嬉しいな。
だから今朝、“今日は学校が終わったら早く帰ってきて”って、橙子さんが言ってたんだ。
「萌果ちゃん。これ、私からのプレゼントよ」
橙子さんが、化粧品セットを渡してくれる。
「嬉しい。ありがとうございます!」
「萌果ちゃん。俺からはこれを……」