芸能人の幼なじみと、ナイショで同居しています
「うわぁ、すごい。キレイ!」
藍が私に渡してくれたのは、白薔薇の大きな花束だった。
「私、花束なんて初めてもらったかも」
「萌果ちゃんだけでなく、俺にとっても今日は大切な日だから。年に一度の大切な日を、一緒にお祝いできて嬉しいよ」
「藍……ありがとう」
思わぬサプライズに、私は目頭が熱くなる。
「ちなみに萌果ちゃんは、白薔薇の花言葉って知ってる?」
「ううん、知らない」
私は、正直に首を横に振った。
「あのね。白薔薇の花言葉は、“純粋・深い尊敬”って意味があるんだよ」
「へぇー」
「俺は昔から、純粋で優しい萌果ちゃんのことを尊敬してるから。萌果ちゃんに贈るのに、ピッタリだと思って」
「嬉しいよ、藍。本当にありがとう」
「どういたしまして」
私が微笑むと、藍も笑い返してくれる。
「それとね、白薔薇にはまだ他にも意味があるんだけど……」
「え?」
「さあ、あなたたち。ひとまずお祝いも済んだから、みんなでご飯食べましょうか。萌果ちゃん、ケーキもあるからね」
「あっ、はい!」
何か言いかけていた藍の言葉は、橙子さんの声にかき消されてしまった。