芸能人の幼なじみと、ナイショで同居しています


「うん。今から早退して、撮影で沖縄に行くんだよ。2泊の予定で」

「えっ、沖縄!? 良いなぁ」


青い海に、白い砂浜。パイナップルとか、美味しい食べ物もたくさん……羨ましい。


「良くないよ。萌果に数日間会えないなんて、死ぬ」


死ぬって! 藍ってば、大袈裟だよ!


「本音を言うなら俺、撮影なんて行きたくない」

「撮影行きたくないとか、そんなこと言わないの! お仕事なんだから」

「分かった。もう言わない」


しょんぼりした顔をする藍。


「俺、撮影ちゃんと頑張るから……行く前に、萌果を充電させてくれない?」

「じゅ、充電?」

「うん。会えない日の分も、今のうちに萌果に触れておきたくて」


藍の腕が伸びてきて、後ろから抱きしめられた。


甘えるように首筋に擦りつかれて、くすぐったい。


「ちょ、ちょっと藍……ここ、学校だよ!?」


誰かが来るかもしれないというハラハラ感に、胸の鼓動が速くなっていく。

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