芸能人の幼なじみと、ナイショで同居しています


「分かってる。ちょっとだけにするから……ダメ?」


こてんと首を傾げて、可愛くおねだりされたら……私はもう、抱きしめられているこの手を振りほどけない。


「本当に、ちょっとだけだからね?」

「やった、ありがとう。萌果ちゃん、大好き」


パッと花が咲いたような笑顔になった藍に、チュッと頬にキスされる。


藍ったら、私がおねだりに弱いのを分かっててやってそう。


そう思いつつも、藍の甘えるような眼差しには昔からどうも勝てない私。


それから誰もいない二人きりの空き教室で、私は藍にたくさん抱きしめられ、キスされるのだった。

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