芸能人の幼なじみと、ナイショで同居しています
7. 長年の片想い〜藍side〜
仕事で沖縄に来て2日目。
抜けるようなコバルトブルーの空の下。
俺は今、エメラルドグリーンの美しい海で清涼飲料水のテレビCMの撮影をしている。
「久住くん、ここは爽やかな笑顔で頼むよ」
「はい」
細かな動作を監督たちと確認し、リハーサルのあと、CM撮影が本格的に始まった。
学ランの衣装に身を包んだ俺は、白い砂浜を全速力で駆け抜ける。
そして海をバックに髪をかきあげ、青空の下で笑顔で清涼飲料水をゴクゴクと飲んだ。
「はい、オーケー!」
監督からのカットがかかり、撮影はストップする。
「久住くん。君、演技もいけるねぇ。一発オーケーだったよ」
「ありがとうございます」
監督に褒められると、素直に嬉しい。
その後、スチール撮影や雑誌のインタビューに答えたあと、CM関連の仕事は無事に終了。
マネジャーと共に、宿泊するホテルに戻る準備をしていると。
「おっ、お疲れ様です! あの……藍さんに、お話があるんですけど」
先ほどのCM撮影で少しだけ共演したモデルの女の子が、緊張した面持ちで俺に声をかけてきた。