芸能人の幼なじみと、ナイショで同居しています
夜。仕事を終えてホテルの部屋に戻ってきた俺は、ベッドに思いきりダイブする。
「ああ、疲れた……」
シャワーを浴びて、再びベッドに横になるもなかなか寝つけない。
スマホで時刻を確認すると、深夜1時を過ぎたところ。
萌果は、もう寝たかな?
「ああ、萌果に会いたい……」
あの花がほころぶような、可愛い笑顔が見たい。
今は会えないから、せめて寝る前に萌果の声だけでも聞きたい。
けど……今は、夜中だし。さすがに電話したら、迷惑だよな。
やめておこう。いや、でも、やっぱりちょっとだけ……。
結局自分に負けてしまった俺は、萌果の連絡先を表示し、スマホの通話ボタンをタップ。
3回コールして萌果が出なかったら、そのときはちゃんと諦めよう。
~♪
『もしもし?』
「!」
2コール目で、萌果は電話に出てくれた。
「夜遅いのに、電話してごめんね? 今大丈夫? 萌果ちゃんの声が、聞きたくなっちゃって……」