芸能人の幼なじみと、ナイショで同居しています
『大丈夫だよ。明日……もう今日か。今日は日曜日で、学校も休みだし』
「だったら、眠れないから少しだけ話さない?」
『うん、いいよ。藍って、枕が変わると寝られないタイプだもんね』
「そうなんだよ。さすが萌果ちゃん、よく分かってる!」
話に付き合ってくれるなんて、やっぱり萌果は優しいな。
『藍、お仕事どうだった?』
「今日は、清涼飲料水のテレビCMの撮影だったんだけど。監督から一発でOKをもらって……」
『へー、すごいじゃない。藍、頑張ったんだね。お疲れ様』
萌果の労いの言葉に、自然と頬がゆるむ。
「ありがとう。それでさー」
萌果と話してると、いつもよりも饒舌になる気がする。
あんなに身体がクタクタだったのに、萌果の可愛い声を聞いてるだけで、不思議と今日の疲れも吹き飛んでいく。
「そうだ。萌果ちゃんは? 昨日、あれから学校はどうだった?」
『あー……』
俺が尋ねると、なぜか萌果が言い淀む。
「どうしたの? 何かあった?」