芸能人の幼なじみと、ナイショで同居しています


「やばい。これ、めっちゃ美味いよ!」


藍の言葉に、ホッとする。


「お店の味にも負けないくらい、美味しい」

「お店の味って! 藍ったら、ほんとお世辞が上手なんだから」

「俺、お世辞とか言わないし。全部、本当に思ってることだよ」


え?


「自分の好きな子が、一生懸命作ってくれた。それだけで、俺にとっては最高のご馳走になるんだから」


藍のニカッと明るい笑顔がまぶしくて、頬が熱くなる。︎︎︎︎


ていうか藍、さらっと『好きな子』って言ってくれた……。


私の胸が、キュッとなる。


「俺、萌果の手料理が食べられて、ほんと幸せだよ」

「藍……ありがとう。チャーハン、まだおかわりあるからね」

「まじ!? それじゃあ、お願いしようかな」


それから藍は、おかわりのチャーハンも美味しいと言いながら、きれいに完食してくれた。

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