芸能人の幼なじみと、ナイショで同居しています
「ら、藍……?」
「勝手に部屋に入ってごめん。萌果の悲鳴が2階まで聞こえたから。大丈夫!?」
「だ、大丈夫だよ」
震える声で、なんとか答える。
本当は、怖くてたまらないけど。藍に、弱気なことは言えないよ。
だって私は……小さい頃からずっと、“藍のお姉ちゃん”みたいなものだったから。
「嘘つけ。萌果の体、こんなに震えて……全然大丈夫じゃないだろ!?」
藍が私を優しく引き寄せ、ぎゅっと力強く抱きしめた。
「萌果ちゃん、昔から雷苦手だったでしょ? 俺、ちゃんと知ってるんだから。俺の前では、無理して強がらなくて良いよ」
私を抱きしめている藍の腕に、力がこもる。
「こういうときは、俺に素直に甘えて?」
「藍……っ」
私、藍に甘えても……いいの?
ゴロゴロゴロッ……!!
「きゃあっ!」
地割れのような音が響き、私は思わず藍の背中に腕をまわしてしがみついた。
「怖い。怖いよ、藍……っ」
今度は強がったりすることなく、ちゃんと本音のまま話す。
「大丈夫だよ、萌果ちゃん。俺がいるから」