芸能人の幼なじみと、ナイショで同居しています
藍が、より一層私を強い力で抱きしめる。
藍と真正面から隙間なくぴったりとくっついて、ドキドキするけれど。
藍と、触れ合っている部分が温かくて。
こうして藍に抱きしめられていると、すごく落ち着く。
「大丈夫、大丈夫」
私を抱きしめながら、もう一方の手で私の背中をポンポンと優しく叩いてくれる藍。
心地よいリズムで繰り返されるそれが、私により一層の安心感を与えてくれた。
昔は、藍も私と同じように雷を怖がって泣いていたのに……。
いつの間に、こんなにも強くなったの?
藍がこうしてそばにいてくれるだけで、心強いって思う日が来るなんて……。
「ねぇ、藍。今夜は、ずっとそばにいて?」
気づいたら私は、そんなことを口にしていた。
私が離れないとばかりに藍を抱きしめる手に力を込めると、藍も私を逞しい腕でぎゅっと抱きしめ返してくれる。
「うん。俺は、萌果ちゃんから離れないよ。今夜はずっと、一緒にいるから」
それから私たちは布団の上で抱き合ったまま、夜を過ごすのだった。